反射防止膜について
反射防止膜の原理
反射防止膜(Anti-Reflection coating)は、光の干渉を利用してレンズへの映り込みを低減させるための光学薄膜のことです。
基材の表面反射光の山部とARコートを通過して出ている裏面反射光の谷部を合わせ、打ち消しあうようにコントロールすることで反射防止性能が発揮されます。
コントロールは異なる物質の組み合わせと膜厚制御をおこなうことで可能になります。
ディップコート法によるARコートについて
従来、AR(反射防止膜)コートはドライプロセスによる成膜と広く認識されておりますが、AR層シングルの場合は、ウェットプロセスであるディップコート法でも反射率1%未満(片面)の成膜が可能です。
膜厚100nm~160nmまでの膜厚データ
ディップコーティングの引き上げ速度を変えることで、ボトム波長を意図した波長にすることが可能になります。
※サンプルデータはボトム波長域650~700nm
プライマー・高屈剤・ハードコートのコーティングがしてあっても同様の結果になります。
AR(反射防止膜)は1層のシングルコートです。
アクリル材レンズアレイ
コーティング情報
引き上げ速度:2mm/s~(膜厚101.36nm)
膜厚100~160nmを5nm刻み目標
ワーク情報
材質:アクリル
屈折率:1.49
コート剤情報
屈折率:1.30