蒸発器の原理および用途
蒸発器の内部構造と原理
蒸発器の原理
装置内部に複数の蒸発トレーが重なって収められており、洗浄液が上のトレーから順に下のトレーに流れていき、装置内の貯蔵槽に戻り、洗浄液をポンプで上のトレーに送る構造となっています。
蒸発器下部に送風機を内蔵しており、トレーとの間に風を送ることで蒸発を促進させます。
蒸発器の用途
~蒸発器の運用例~
①洗浄装置の洗浄槽を凝縮しながら環流
→効果:無排⽔化と洗剤消耗量の削減
②廃⽔の凝縮
→効果:廃⽔の減容化・産廃費⽤の削減
蒸発器の導入例
例)一般的な水系システム
第1槽に投入した洗浄物から洗剤をすすぐため第2槽へ投入、仕上げ洗浄で第3槽へ投入
→問題点
洗剤が第2槽に持ち出されることで、第2槽の洗剤濃度上昇を防ぐために市⽔を補充し余剰分を廃液することが必要になる
第1槽の洗剤が減少し洗剤の補給が必要になる
例) 蒸発器導⼊による無排⽔化としたシステム
第2槽への市⽔補充により溢れ出た分を第1槽へ給⽔
第1槽の洗剤濃度が低下した分を蒸発器で蒸発させ濃度を維持
→結果
洗剤供給が不要となり洗剤消費量の低減できる。
第2槽からの排⽔が不要になる。
蒸発器の実績例
洗浄システム例:ゴム製品の洗浄装置
第1槽:⽔系洗浄剤による⽔中噴流洗浄
第2槽:エアブローによる液切り
第3槽:市⽔噴流によるプレリンス
第4槽:純⽔噴流による仕上げリンス
第5槽:純⽔噴流による仕上げリンス
第1槽の⽔系洗浄剤を蒸発濃縮させることで後槽のすすぎ⽔の供給を得ている